SSDとは?
SSD(ソリッドステートドライブ)の略称。
HDD(ハードディスクドライブ)に次ぐ、次世代のコンピュータの記憶装置です。
今回iMac2020のストレージが少々不安だったのでSSDを増設してみたお話。
序盤はSSDの基本情報を軽くおさらい。
HDDと比較した場合のSSDのメリット
旧世代の記憶領域(ストレージ)HDDと比較したSSDのメリットは数多く、以下に簡易的にまとめてみました。
高速処理
HDDとは比較にならないレベルで早いです。
一番簡単に体感できる事例として、SSDはOSの起動ドライブとしても勿論使えるわけですが、HDD→SSDに起動ドライブを変更すれば、少なくとも起動時間は半減、環境次第では1/10程度まで短縮される場合があります。
耐久性
HDDというのは物理的に磁気ディスクにアクセスするためのヘッドというパーツがあるんですが、ちょっと衝撃を加えるだけで簡単に壊れたりします。
机の上から落とすとかはそもそも論外で、縦置きしていた外付けのHDDが何かの拍子にパタンっと倒れただけでぶっ壊れるレベルには脆いです。
(これでHDD3つ壊してます)
対してSSDはと言うと、そもそも物理的な可動部が存在せず、基本的に電子的なアクセスで情報の読み書きをしますので、衝撃に対して壊れる部分が少ないわけです。
製品によっては「2mの高さからの落下テストをクリア!」なんて謳われているものもあります。HDDを2mの高さから落とせば恐らくほぼほぼ100%死にます。
勿論精密機器であることに変わりはないので、衝撃自体は歓迎できるものではないのですが、両者を比較した場合、耐衝撃性はSSDが大幅に勝ります。
寿命
HDDもSSDも一応明確な寿命が存在します。
ちなみにHDDの寿命に関しては僕は意識したことはありません。
僕の場合、寿命以前に物理的にぶっ壊れることがほとんどでした。
何かしらの明確な衝撃を与えて壊れた経験は何度もありますが、自然故障的に「ある日突然、HDDを認識しなくなった」みたいな経験は今のところ一度もないです。
一応寿命があると言われるこれらの記憶媒体ですが、HDDですらほぼ意識したことはありませんが、SSDは更に長寿とのこと。
今のPCの内臓HDDも7年ほど毎日ほぼ休まずに使っていますが、未だに健在。
一応ネットで検索すると「SSDの寿命は5年」とか言われているみたいですが、相当大容量の読み書きを日常レベルで行う、例えば「動画編集者」みたいな方以外は特に意識しなくていいレベルだと思います。
静音性
物理的な可動領域があるHDDと比べ、SSDには物理的に動作する機構は存在しませんので静音性と言う点において勝ります。
外付けのHDDにはファンがついているものも多いですがSSDではあまり見かける事はありません。
HDDと比較した場合のSSDのデメリット
デメリットについても述べていきます。
記憶領域1GB辺りの単価
SSDはHDDと比べ非常に高価です。
容量や詳細なスペックに寄る部分もありますが、概ね1TBのSSDとHDDを比較すると2020年10月現在で3~5倍程度の価格差があります。
数年前に比べるとSSDもかなり安くなったとは思いますが、同時にHDDも安くなってるのでコストに関する優劣は未だに大きいですね。
復旧困難
HDDの場合ヘッド等が物理的に故障してもディスクさえ無事であれば復旧できる可能性はありますが、SSDの場合、故障した箇所にもよりますが、データの復旧は困難です。
データの保存性
HDDと比較した場合SSDはデータの長期保存が苦手な側面があります。
とは言え、基本的には10年単位のデータ保存寿命はあるようで、通常使用においてほぼほぼ懸念する範囲ではありませんが、HDDと比較した場合にはやはり劣ると言わざるを得ない点です。(HDDは100年単位と言われている)
高温、かつ無通電状態の環境下であれば数週間から数ヶ月で保存したデータが消失する可能性があると言うことらしいですが、実際消し飛んだと言う話はネットでもほとんど見かけないので僕は全く気にしていません。
SSDの種類
SSDってどんな種類があるの?って話。
内臓型
PCの本体ケース内部のインターフェイスに直接接続するタイプのSSDです。
構造上、そのPCの本体構成の最大速度の接続が約束されますが、PCのケース内部にアクセスする必要があるので分解が必要となり、個体によってはほぼ換装が不可能なパターンも存在します。
外付け型
PCにある外部ポート(USBなど)でつないで増設するタイプのSSDです。まさに外付け。
気軽に増設できる反面、接続するインターフェイスに無頓着だとSSDの速度性能を最大限発揮できない恐れもあります。
自作型
内臓型のSSDを収納ケース(エンクロージャ)に納めて、外部ポートに接続するという外付け型の亜種みたいな増設方法です。
SSD本体と収納するケースを別々に購入する必要がありますが特に高価格帯の既成品外付けSSDと比較して同等のスペックのものを安く作れるというメリットがあります。
今回iMac2020に増設したSSDを紹介
さて、本題の今回増設したSSDについて紹介していきます。
増設の目的と必要なスペック
直近で購入したiMacがリテール品のため、最大でも500GBのストレージしか選択することができず、流石に500GBだと不安もあったので、増設するに至ります。
とはいえクラウドストレージ(DropBox)も多用しているため、そんな大容量は必要なく、プラスで1TBもあれば十分事足ります。
また、外付けSSDからOSを起動する可能性もあるため、読み書きの速度には最大限こだわって行きたいところです。
選んだのは自作型増設
今回の増設では「自作型」の増設方法を選びました。
理由としては以下の通り。
- 速度を出すためNVMeインターフェイスがよかった。
- 速度を出すためThunderBolt3接続を利用したかった。
- リテール品のThunderBolt3対応外付けSSDはほとんど存在しない。
- あってもめっちゃ高い。
外付けSSDインターフェイスについて
軽く解説しますが、こちらのサイトがよくまとまっています。
厳密な話を聞きたい方、詳しく知りたい方はご確認ください。
https://note.com/ykawase/n/n23deaa2a0ef2
PCの転送速や周波数というのは、あらゆる関連パーツの中で一番スペックが低いものに揃うようになっています。
コスト重視で集めるならそれでいいのですが、”SSD本体はめっちゃスペック高いのに、ケース(エンクロージャ)はUSB3.1”みたいなチグハグな選び方だけは避けましょう。
お金とか、お金とか、お金とか、色々無駄になります。
NVMeとは?
SSDのデータ転送の規格で、細かいことを抜きにして、とりあえず早いです。
「PCIe接続でNVMeのM.2 SSDが最も高速」
呪文みたいなもんで、意味とかはどうでもいいんで、テストにでるのでとりあえず丸暗記するやつです。
Thunderbolt3とは?
現行の外部ポートの中で最も転送速度が早いインターフェイスです。(後継のThunderbolt4もすでに発表されてますが、まだほとんど流通してない)
NVMeじゃないの?ってなるかもしれませんが、こっちはPCと接続する部分のインターフェイスです。難しいこと抜きにすると、ケーブルの差込口と思えばまぁ大体OKです。
コネクタ形状はUSBのtype-Cと同じですが、USB type-C=Thunderbolt3と言うわけではありません。
NVMeのSSDの性能を最大限発揮するにはThunderbolt3一択です。
他のUSB3系のインターフェイスでは力不足になります。(3.2 Gen 2 × 2 の性能限界パツパツくらいだと思いますが、Gen 2 × 2って多分ほとんど普及してないです。)
選んだSSD
なんでこれにしたかって言われると特に強い理由はないんですが、まぁなんとなく、フィーリングです。
速度的なスペックとか色々書いていますが、正直こればっかりは使ってみないことには何ともいえません。
車のスペックで言うところの”燃費性能”みたいなもんで「これ以上のパフォーマンスは出ないんだろうな・・・」くらいの大まかな最大値として捉えておくのがいいです。
選んだSSDケース
ケースの方もフィーリングで選びました。
結構困ったのが、SSDケースって俗に言う「怪しい中華業者」みたいなとこしか売ってないってことです(笑)
ほぼ全部聞いたことないメーカーで不安しかありませんでしたが、まぁ無いものは仕方ないです。信じましょう。
Thunderbolt3に対応しているだけでSSDケースは非常に高価になります。
ちなみにThunderbolt3に対応していないUSB3系のSSDケースはこの商品の1/5以下の価格で買えます。
Thunderbolt3に次いで高速転送出来る規格の”USB3.2 Gen 2×2”ですら半額以下で買えてしまうので、PCが 3.2 Gen 2×2 に対応していて、速度に強烈なこだわりがなければそっちでもいいかもしれません。
PCがどの外部ポートと転送規格に対応しているのは要確認ですよ!
差込口の形状や色だけでは判断出来んません!
SSDとケース届いたよ!
溝にSSDぶっ刺して、ネジ一本で止めるだけ!
サーマルシートみたいなヤツがなんの解説もなく同梱されていた(笑)
多分こう!
完成!
実際の外付けSSD使用感
ちなみにこの商品(外付けのケース)、レビューで「熱くなる!」みたいなこと結構書かれてますが、自分が使ってる限り、全く熱くはならないです。
大体こういう精密機械って70°C超えてきたくらいからやばくなるんですが、使ってる限りでは、あっても体温と同等か、それ以下くらいにしか感じません。
ベンチマークソフトとかで読み書きしまくって”ちょっと熱いかな”ってくらいです。
ヒートシンクとか書いてる人もいますが、多分いらないです。そもそもアルミボディで放熱性高いので、MAXで熱くなって50°C台です(フィーリング調べ)
実用上の速度
このSSDにParallelsのWindows仮想デスクトップのファイル(OS起動関係のファイル)を置いています。
Parallelsに関しての詳しい記事はこちら
特にもたつきも感じず、内部のSSDにファイルを配置をしていた時と体感上ほとんど変わらず使えています。
自分の利用環境下ではかなりの容量を占めるDropBoxの配置も出来ているので非常に便利です。
実際の動作上の問題
使用している限り、特に動作上の問題はケース、SSD本体ともに起きていません。
SSD増設まとめ
- 早さにこだわるならNVMe × Thunderbolt3 !
- Thunderbolt3 対応のSSDケースはめっちゃ高い!
- でもリテール品の外付けSSDは遅いし早い奴はもっと高い!
- PCがその規格に対応しているかは要確認!
既製品の外付けSSDもちょっと紹介
今回作成したSSDのベンチマークと市販品の外付けSSDの公称転送速度を比較しながら少し紹介します。(自慢したいだけ)
WESTERNDIGITAL・インターフェイス完全に不明
公称値:読出し速度 最大400MB/秒
バッファロー・USB3.1 Gen1
公称値:HDDより早い!(笑)
【測定方法】 本商品とバッファロー製ハードディスクHD-PCGU3-A(500GBモデル)に対し、それぞれ約5MBの写真200枚の書き込みが完了するまでの時間を測定。 (2019年5月 バッファロー調べ)
で4.5秒転送にかかったってことなんで、
ざっくり1000MB/4.5秒 = 222MB/s
ってとこですかね。
ちなみにこれ、Amazon上のベストセラーです。
SunDisk・USB3.1 Gen2
公称値:読出し速度 最大550MB/秒
バッファロー・USB3.1 Gen2
公称値:高速転送1000MB/s
確かに早いな、ほんまかよ・・・。
レビュー見る限り、ガチっぽい。
WESTERNDIGITAL・USB3.2 Gen2
公称値:最大読取り1050 MB/秒
これも早いー。やるやん。
何より外観がカッケー。
あとUSB3.2Gen2対応は意外とレア。
今回僕が作ったSSDのベンチマーク
実際のベンチマークはこんな感じ。
Writeもうちょっと何とかならんか!
とは思ってしまいましたが、Amazonのレビュー見る限り全く同じSSD装着してWriteで2000MB/s超えてる方も居るみたいなんで、こればっかりは僕の環境のせいかもしれません。
ベンチマーク計測してる時点で400GBくらい既に使ってしまっているので、そのせいかもしれません。
それにしても圧倒的ですみません。
Thunderbolt3 万歳!
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