はじめに断っておくと、残念ながら僕の作ったサイトの話ではありません(笑)
当サイトのテーマテンプレート「賢威」の発売元であるウェブライダー社が試験的に作成されたサイトのようですが、検索順位に非常に興味深い現象が起きていて、それについていくつか考察していきたいと思います。
平成時代のSEOのおさらい
平成時代の「SEO」と言えば、徹底的にグーグルを騙しにかかって、何はどうあれ前に出るという、いわゆる、ブラックハットSEO的手法が長い間、猛威を振るってきました。
メタキーワード、noscript、背景同化文字色や、CSSのdisplay: noneプロパティを使った隠しキーワードは朝飯前。コンテンツに関係ないキーワードもぶち込みまくり。
数百、数千と言う自前のサイトから自作自演のバックリンクを送り、上位表示させたいサイトの評価を偽装。
リンク●本△万円で販売します的な、怪しい業者もわっしょいわっしょいです。(がっつりGoogleのガイドライン違反です)
スマホが出始める頃までは、それはそれはもう惨憺たるブラックハットサイトによる検索結果の上位ジャックが行われてきました。
なんで皆こんな事してたかって言うと、単純にコスパ良かったからですよね。やれば儲かるって分かってたから、そりゃ、やりますよ。
betters.meの何がSEO的にすごいのか?
平成も終盤にかけて、度重なるGoogleのアップデートによって、ブラックハット的な手法は駆逐されてきつつありました。
が、令和時代に突入した後は、その兆候は更に加速しそうだな、と言う例になるサイトが上で挙げたbetters.meです。
常識破りその①:たった3記事でビッグキーワードで検索上位表示
記事の内容はバラッバラ。それでいて「マザーズバッグ」「厄除け」「会社 辞めたい」と言う、キーワードでトップ5以内に食い込むと言う異常事態。
キーワード的に上位表示はどんな難易度なのか参考までに調べてみました。※データは2019年5月5日時点のもの。
キーワード「マザーズバッグ」
月間検索ボリューム50,000弱、おなじみのハゲも「head to rank for.」ゆーてますね。バリバリのレッドオーシャンキーワード。
調査時点では2位表示、最高1位表示とのこと。楽天とAmazonのサンドイッチで、レタスくらいの位置ですね。
キーワード「厄除け」
こちらは上位表示難易度は中、月間ボリュームは1万越え。正月前に需要爆上がりする季節系キーワードですね。
調査時点では5位表示みたいですね。最高は1位表示とのこと。
キーワード「会社 辞めたい」
こちらも上位表示の難易度は中、ボリュームは15,000弱。
調査時点で4位、最高は2位表示らしい。
常識破りその②:SNSでの拡散施策なしで上位表示
冒頭でも述べた通り、どうやら試験的な意味合いも含めて作られたサイトであったようで、SNSでの拡散のための施策は一切行わなかったということです。
昨今SNSでのバズ現象は一部では検索順位に影響を与えているのではないか?と言われている中で、驚き桃の木。
常識破りその③:広告露出なし
SNSと同じく、広告での露出もしなかったとのこと。サイトのスタートアップ序盤から何らかの形で世間に広まる可能性の一切が排除されていますね。
常識破りその④:バックリンク(被リンク)なし
ここまで何もしてなければ、もはや驚きもないかもしれませんが、検索結果に上位表示されるまでの間に意図的な自演バックリンクなどの施策も行わなかったとの話です。
この記事を書いている時点で確認したところすでにいくつかの被リンクは受けているようです。
一応断っておくと、この実績を元にウェブライダーさんはウェビナー的な商売を展開されております。
ですので、先方が提示している前提条件を全てまるっと鵜呑みにするのもちょっと違うんじゃないかな、ってことで調べてみました。
被リンクに関しては完全に正確に把握するのは難しいですが、見る限りまとめ記事へ掲載されて被リンクを受けている分は、おそらく上位表示されてからの事だと思います。
後は自社のコーポレートサイトとか、その関係の非リンクが多かったですね。
ソーシャルに関しては実際何もしていなさそうですね。
令和時代のSEOはどうなる?
例のサイトを見ていただければ分かると思いますが、コンテンツ自体は「神」クラスですよね。
現状、Googleが何故ブラックハットなSEO手法に騙しに騙され続けてきたのかと言うと、「コンテンツの良し悪しを文面や構成から正確に把握することが出来なかったから」と言わざるを得ません。
検索結果のランキングに関する内部的なスコアがあるとすれば、その大部分を「コンテンツ以外の要素」によって決定していたのが今までのGoogleのアルゴリズムだったワケです。
勿論、コンテンツ本体以外のことを検索結果ランキングの指標にするのが悪いかと言うと、僕はそうは思いません。
しかし、上位表示させたい側から「狙い打ち」されるような単純な構造って言うのもシステム的にどうかなと思うわけです。
どこかのアイドルの言葉ではないですが、「正直者が損をする世界」って何かモヤモヤしますね。実際、大抵の場合そうなんですけど…。
SEOと言う言葉自体がなくなる?
究極的にコンテンツの品質とは何なのか?って話に回帰してくると思うんですが、一般論的にいうと、情報の鮮度、正確性、とかになってくると思います。
加えてGoogleが指標にしているのは現在E-A-Tと言われていて、
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
の事ですね。
あらゆる指標を基にGoogleはこれらを導き出していると思われますが、なんとなくですが、これらも偽装されそうな気はします。
ぶっちゃけまだまだブラックハット的なSEOはなくならない気はしています。
ただし、SEOのコスパは悪くなる一方であろうことは明白
一口にSEOと言うとなんかSEOの全てを否定しているみたいに聞こえるかもしれませんがそういうつもりではありません。
少し話は変わりますが、ビットコインと言う仮想通貨はご存知でしょうか?
ビットコインに限らずですが、仮想通貨がどうやって通貨として(ある程度認められる)の価値を担保したのかと言うと、「不正をする方がコストが高くつく」という仕組みを作り出すことが出来たというのが一因です。もちろん完璧ではありませんけどね。
betters.meの事例を見てみても、これまでの常識とされてきた部分が大きく覆って来つつあることは明らかですね。
検索エンジンでもこれと同じく、余計な事(ブラックハットSEO)するくらいなら、ライティングやコンテンツ作りを頑張った方が検索結果の上位表示に有利であるという状況はもう目の前まで来ているかもしれません。
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