昨今、プログラミング業界を震撼させている新技術、NoCodeというものを恥ずかしながら最近知ったので、僕より恥ずかしいかもしれない皆さんのために、「NoCodeとは何なのか」「どんな奴が得するのか」などなど、今後のNoCode市場の展望を考察しながら紹介していきます。
NoCodeとは?
そのまま直訳で「コードなし」。
言葉のまま、複雑なソースコードの記述をせず、GUIベースで開発していけるシステムやそれらを提供しているサービス全般の事です。
簡単に言うと、「誰でも簡単にクリックするだけでシステムが作れる!」なんて言う、僕みたいな怠惰なヤツ向けの革新的サービス群です。
NoCodeという特定のサービスがあるわけではなく、GUI型プログラミングや、GUI型のインフラ管理なんかもNoCodeの定義に入ってくるようですね。
そういう意味ではAWSにおけるインフラ周りの管理なんかもここに入ってくるのかもしれません。
便利ですよね、AWS。
プログラミングの世界は高級化する流れにある
高級・低級という一般的な響きだけとらえると、何となく「高級の方がエライ」みたいな印象を抱く方も少なくはないと思いますが、プログラミングの世界で言うところの高級/低級というのは少し意味が違います。
より、人間に近い部分の操作を高級、マシン(ハードウェア)側に近い操作部分を低級と呼びます。
定義上の低級言語と言えば機械語、アセンブリ言語などを指すことが多いのですが、これらは現在、人間が直接記述するようなシーンはほぼありません。
対して高級言語の中にはよく聞く様なプログラミング言語が含まれますが、その高級言語の中でもより低級言語に近い高級言語があります。
ややこしいですね。
例えば、一応定義上はどちらも高級言語と呼ばれるプログラミング言語なんですが、C言語なんかは僕がよく使うPythonなどよりはるかに抽象度の低い記述が要求される「低級言語寄り」の高級言語です。
高級/低級どちらが良い/悪いではなく、いずれもメリット・デメリットは表裏一体のモノですので、シーンに合わせて使い分ける、と言うのが一般的な解釈かと思います。
より低級な言語の特徴
限られたシステムリソースの中で、最大限のパフォーマンスを発揮させる必要がある場合には、より低級な言語を用いた方がよいことになります。
その分記述は煩雑ですし、定義上の低級言語に至っては人間が読むことすら困難です。
必然、システム開発時の人的なリソースは多く消費することになります。
その分処理速度や、パフォーマンスを追求するシーンや複雑なアルゴリズムを組み込んだシステムなどでは大きな力を発揮します。
一応両者とも高級言語という定義上の位置づけではありますが、C言語とPythonを単純にCPU負荷の高い同様の処理をさせた場合、[text type=marker color=pink]最低でも20倍から100倍ほどC言語の方が処理が早い[/text]です。
より高級な言語の特徴
高級な言語の特徴は上で挙げた特徴の正反対のモノとなります。
何より最大の特徴として挙げられるのが、初期コストの縮小の部分であるといえます。
初期コストというのは、開発自体にかかる初期コストももちろんですが、[text type=marker color=pink]学習にかかる初期コスト面[/text]においてもより低級な言語に比べ、はるかに低いコストでより高い習熟度を目指すことが可能です。
NoCodeが起こす革命とメリット
上の項で挙げたプログラミングの高級化を究極まで突き詰めた形がGUIプログラミングです。
GUIというのは人間が絵を見ながらポチポチ触れるインターフェイスの事です。子供用のプログラミング教材なんかで多いのがこのGUIプログラミングの形式です。
特定の指示系をブロック単位でまとめて、そのパーツを組み合わせていくイメージです。
子供でもできる→大人ならもっとできる
当たり前ですが、こういうことです。
子供ですら簡単にいじくり回せるプログラミングの形式ですので、大人なら非プログラマの方でもより簡単に高度なものが組み立てられるという話です。
大人ならもっとできる→エンジニアなら更にできる
これも自明の理かと思いますが、一般人でもコードなしでシステムを作れるように高級化してくれているサービスがNoCodeの訳ですから、現役のエンジニア・プログラマなら更に高速で、より良いものを作れるというのは間違いないでしょう。
現役のプログラマ・エンジニア勢の一般人に対する「こと、NoCodeにおける」アドバンテージは特に変わらないと思います。
NoCodeの課題とデメリット
高級/低級なプログラミングの項でも述べましたが、それらの特徴や、メリットデメリットはプログラミング対NoCodeの対比においてもそのまま当てはまると考えられます。
NoCode単体でリリースまで行けるとは限らない
現状、NoCode童貞の僕ですが、推測するに、恐らく複雑なシステムやサービスをNoCode単体で作り上げて、リリース→サービスインまで持っていくのは現状かなり難しいんじゃないかなと思います。
NoCodeのシステムプラットフォームへの依存
NoCodeというのはコードがいらないプログラミングの総称ですので、各種サービス母体が存在しています。
それらのサービス母体それぞれに「できること・できないこと」がもちろん存在するようで、どんどん開発されて進化を続けていっていると言えど、統一規格等があるようなサービスではないので、もちろん利用するサービスに作れるもの自体が依存ししまうのは無理からぬことです。
NoCodeはメンテナンス性が低い
コードが存在しないという事は、改定された記録等も追うことは現状難しいでしょうから、メンテナンス性や、共同開発性には欠けるような気もします。
今後、Git的な性能が組み込まれたNoCodeサービスも現れるかもしれませんね。
どんな人が一番NoCodeのメリットを享受できる?
複雑なコードが必要ないことによって、最もメリットを享受できそうな方々を考察してみます。
アイデアだけは無限のキモオタ貧乏起業家
スタートアップというのは得てして、金がないものです。
フリーランスに新サービスのサイトの叩き台を一件発注して100万円請求されるのも、事業自体がスベリ倒す可能性を考えたら、怖くて中々踏み出せないことも多いでしょう。
そんな貧乏なあなたでもNoCodeならチャンスが掴めるかもしれません。
新サービスが当たりさえすれば秒速億万長者も夢ではありません。
Excel関数とかVBA使えて社内でちょっとイキってる人
ちょっとプログラミング風の事は分かる!
でも、ガッツリコードとか書いたことない!
そんなあなたの社内イキりはNoCodeで更に加速することが出来そうです。
1年間「プログラミング勉強中」のお前
いつまで基礎学習やってるつもりなのか知りませんが、1年間プログラミング勉強中のお前にもチャンスはあります。
とりあえず一回、動くもん作ってみろって。
NoCodeで。
NoCodeの今後の展望
まだまだ発展途上なサービスである部分は否めませんが、今後NoCodeが発展していけばサービスイン乱立時代が到来するかもしれません。
企画からサービスリリースまで一気通貫でデザインできる奴が無双する時代
昨今プログラマ・エンジニアがもてはやされる(持ち上げられる?)時代がしばらく続いていて、プログラミングスクールやプログラミング教材なんかを売ってる方々はよだれを垂らすレベルで儲かっています。
言うなればゴールドラッシュでツルハシ売ってるヤツらですね。
が、NoCodeが台頭すれば、実は金鉱夫であるプログラマ参戦ルーキーたちの仕事の大部分がそれらNoCode系サービスに代替される時代が来るかもしれません。
マーケッターレイヤーの人材が強くなる
そうなってくると、サービスをデザインして広告・集客・分析等マネタイズまで持っていけるいわゆるマーケッター領域の人々が相対的に無双モードになります。
結局サービスの上流にいないとしんどいのは今も今後も一緒なんですが、さらに加速しそうな気はしますね。
サービスの大部分をNoCodeで自分(自社)で作って、NoCodeでできない部分だけプログラマに外注しときゃいいか、みたいな。
特にフロントエンド枠はNoCode系サービスに比較的代替されやすそうな領域なのでフロントエンドオンリーというのは今後危なそうですね。
老害エンジニアはジリ貧なのか?
プログラミングが不要になることは勿論ないと思いますが、NoCoderを見下す老害エンジニアはジリ貧方面確実かと思われます。
NoCodeもプログラミングと言えばプログラミングなワケで、基本的に低級/高級にどっちがエライとエラクナイとはないと僕は思っています。
とは言え、意識を切り替えさえすれば、もちろん一般人よりも老害エンジニアの方がNoCodeを使いこなすのも間違いないでしょうから、偏見なく便利なものは使っていけばいいんじゃないかなというのが個人的な思想です。
押さえておきたいNoCodeサービスまとめ
最強系:Bubble
The NoCode。
Bubbleです。
NoCodeの中のオールマイティ。
Webサイトやアプリ開発など、幅広く作れるのが特長です。
サービス連携系
IOTデバイス同士の連携とかでも使えます。
よく考えたら上でNoCode童貞って書きましたけど僕、IFTTT使ったことありましたね。
スクレイピング系:octoparse
みんな大好きスクレイピングのNocodeサービスです。
Webサイト系:Webflow
シャレオツ系Webサイトを作れます。
EC系:Sharetribe
ECサイトが簡単に作れちゃう。
NoCodeまとめ
世の潮流には逆らえません。
メルカリによってCtoCが加速し買取系サービス事業者が衰退したように、Amazonによってネット書店が壊滅したように、
NoCode系のサービスにプログラマの仕事が代替される時代も来るかもしれませんね。
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